そして、レンをそっと離して。
私は再び戦線へ立つ。
たぶん、もう…。
エリクも私も軍略では戦えない。
ここからは単純な武力勝負。
「るう、エリクは斬っちゃダメだよ?」
「なんでだよ。」
「それをまた脅しに使われたんじゃ私の身が持ちませんー。」
るうは痛い所を突かれたように、押し黙る。
「それに、次は私が斬るって言ったでしょ?」
「…はいはい。」
隊列を迅速に整えたトキが、私に声をかけてくれる。
「リン、大丈夫?」
「これが終わったら三日は寝たいと思ってる。」
「思ったより元気そうだね。じゃあ戦力として換算するから、後ろはあんまり気にしなくていいよ。アキト同様、前線は任せる。」
「トキの作戦に加えてもらえたみたいで、なんか嬉しいなー。期待に応えて頑張りますっ!」
人の作戦で戦うのなんて、新鮮かも。
少しわくわくします。
「頑張るのは程々に。言っとくけどルイも満身創痍だから当てにしない方がいいよ。」
「誰がだ。俺はまだ余裕だ。」
「昨夜もう雑巾みたいにヘロヘロだったじゃん。」
ギャーギャーとるうが怒り出す。
今日も平和ですねー。

