私は夢の中の衝撃で、目を開ける。
現実の世界だと。
ハルの夢だったと。
るうの腕の中にいる私は、少しだけ肩を落とす。
アキト軍の行軍。
セザールへ向かって足を進めているのはすぐに分かった。
時間的にお昼前だろうか。
セザールには夕方には辿り着けるかなといったところだろう。
「リン?」
「……。」
「お前、すげえ熱だぞ。大丈夫か?」
るうが目を開けた私を心配してくれている。
ああ、通りで。
めちゃくちゃ身体重い!!!
「…ハルに起こされた。」
「は?」
「…なるほどね。」
ハルが起こしてくれた意味を瞬時に理解する。
進行方向、向かって右側の茂みに潜むは恐らく一度帰国し己の兵を増員したエリクだろう。
「お前マジで大丈夫か?」
「…シロ、ストップ。」
「あ?」
私に止まれと言われたシロは足を止める。
それによって、後ろもどうしたと言わんばかりに不思議そうに足を止める。
「何してんの…って、リン起きたの?」
「トキ。前方右側、伏兵です。」
「えっ?」
「大体ざっと…五千、いや八千。とりあえず全軍止めて…っ…。」
あー、ダメだ。
頭痛いし身体も痛いし怠い!!!

