どれくらいこの時間が続いただろう。
私は中々に重たい目を、中々開けることができず。
眠ってしまったことによって、お得意のレーダーも遮断され。
私の睡眠を阻むものは何もない。
エリクの襲撃も、この夜全員が警戒し続けたものの杞憂に終わり。
再び夜が明ける。
夜明けと同時にアキト軍は帰路を辿り。眠ったままの私を、るうが抱き抱えて進む。
…エリクは決して甘くない。
このまま、穏やかに帰国を迎えることはない。
その頃、私は夢の中でハルと話していた。
『おい、リン。』
『なにー?』
『怪我したのか?』
『うんー。痛いの。それに眠いー。』
夢の中で、ハルは私の怪我を心配している。
『まだ動けるか?』
『身体重すぎて今は無理だよー。』
『じゃあまだ寝てろ…って言ってやりてえけど。お前が後々後悔するのも俺は嫌だ。』
『えーなにそれー?』
意味深なことをいうハルに、私は首を傾げると。
そんな私を立ち上がらせてハルは続ける。
『もうすぐ会える。だからそれまで踏ん張れよ?』
『ハル…?』
『…舞え、リン。』
ハルが私の背中を強く押した。

