(一)この世界ごと愛したい





しばらくレンとアキトは、眠る私の側に付き添っていてくれて。


そろそろ休めと、アキトがレンに言う。





「どうせルイが戻ってくるし、リンの怪我も大丈夫なんだろ?」


「大丈夫って言えるほど軽傷じゃないけど。もう徐々に熱が上がって来てる。仮に起きたとしても、しばらくは思うように動けないはずだよ。」




怪我のせいで、身体の免疫が働く。


怪我の痛みも上がる体温も、今は感じずにただ眠り続けるだけですが。




「じゃあお前リンについてろ。」


「アキトは?」


「ルイにも休めって言ってくる。」




面倒見のいいアキトはるうを休ませるべく、天幕から出て行く。



残されたレンは、ただじっと私を見つめて過ごす。