私が目を閉じた後、倒れ込むのをるうが抱き止める。
「っ…。」
「ルイ!!!」
アキトに叫ばれたるうは、ハッとしたかのように私を抱き締めたままアキト軍と合流。
「…矢は抜かないで。今もうこれ以上、出血させるのは良くない。」
「…分かった。」
あの夥しい数の矢からレンを守った私には、数本の矢が突き刺さったまま。
それを抜くなとレンに指示されたるうはただ、そのまま私を抱えるしかない。
「そのまま抱えてろ!落とすなよ!!!」
アキトはここ一番で、大いに力を発揮する。
次々にヨーク軍を討ち倒し、後軍への道を開く。
恐らくエリクにレンを討つよう差し向けられたヨーク軍は、最早壊滅寸前。
「……。」
少し震えるるうの腕が、私を支える。
ヨーク軍を殲滅したアキト軍は、そこからセザールへの帰国を果たすため。
ひたすら前へ前へと歩みを進める。

