私はシロの焦げた毛をよしよしと撫でる。




「ちゃんと私の言ったこと守ってくれたんだね。シロありがとうー。」



ぎゅっとシロの頭を抱きしめる。


シロはあまり人を近寄せない馬だけど、私の言うことだけは忠実に聞いてくれる優しい馬だ。






「リン。」


「はい?」




トキに呼ばれて城が見える方へ行くと、ディオン城に白旗が上がっているのが見える。




…よしよし。


敵将もその側近も失って、これ以上戦えないという判断を下した敵。




とは言えこちらも無傷ではないので。その英断にはかなり救われたのは言うまでもない。






「私クロード将軍のとこ行ってくるね。」


「分かった。俺たちは悪いけど、セザールへ先に行軍を進めるよ。」


「うん、すぐに追いつくから。」




トキが帰路を急ぐのは、もうとりあえず最速で帰ってセザールへレンを送り届けさえすればそれがイコール戦の終結だから。


今回アキト軍の動揺は計り知れない。



本陣守備について、自軍に襲われたんじゃ心も乱れる。剣に迷いも出る。



そう言う時は、あまり戦わせてはいけない。






「るう、動けるー?」


「ああ。」




私はクロード将軍の元へ、るうと駆け抜ける。




シロはなんにも悪くないけど。


騎馬すると振動がモロに傷に響きます!!!