「もう少し考えてみるよ。」
「慎重にな。」
私が返事をすると、天幕の入口が開く。
「雨上がったからそろそろ行くよ。」
トキが私達を呼びに来てくれたので。
鉛のように重たい身体を、なんとか起こして立ち上がる。
…やっぱ痛い!!!
「シロー。」
私が呼ぶとシロはすぐに飛んできてくれる。
…ん?
「シロがちょっと焦げてる!!!」
自慢の毛並みが少しだけ縮れてる!!!
「火の手が上がった時に、側にいたレンを庇ったんだよ。」
「なんでレンが下に降りてたの!?」
状況を説明してくれているのはアキトなので、必然的に私はアキトに詰める。
「お前を待ってたんだろうが。俺が一緒にいたし大丈夫だと思って。」
「…それでレンを守ったのはシロだったと?」
「おいおい、まるで俺が馬以下みてえじゃねえかあ!?」
ようやくお気付きで?
そのつもりで言いましたもの?

