(一)この世界ごと愛したい





ハルの光に。



ハルの温もりに。





私はもう、堪らなく触れたい。






「…お前を救うのは、いつだってハルだったな。」



「……。」



「任せろ。俺が叩き起こしてくる。」





るうを使ってばかりで、申し訳ない。



だからせめて薬を届けるのは、王宮に戻り互いの傷が癒えてからにしようと言うことになった。







「だけどリン、もし無事にハルが目覚めたら…。」




わかってるよ。



ハルが目覚めたら、私はもう…。








「セザールにはいられねえぞ。」






だから、それまでに王を討つ。








「実はまだ作戦考え中なんだよね。」


「頼むから一人で動くなよ。」


「作戦次第ですー。」


「…もうこんな無茶な作戦は勘弁してくれ。」




今回の負傷で、流石のるうもしんどかったんだと思います。




これは相手がエリクだから無茶が必須だっただけで、普段私こんなことしませんよ。