(一)この世界ごと愛したい






「お前が望むなら、俺は…」


「だから言わなかったの。るうはいつだって、私の願いを叶えてくれるから。そこに甘えたらもう、私は私でもなくなるよ。」




私には戦うべき敵と、戦う義務がある。


ただ怖いから、不安だからと、その責務から逃げてしまっては。



私は王族としての、戦国の時代の将としての役割さえも失ってしまう。





…もう八方塞がりだった。







「お前はどうしたい。」




るうに本音を話したものの、助けも求めないのであれば。



それでは私はこれからどうしたいのかと。






その答えを。



私はずっと、探し求めていて。





それでも今も尚、見つけられないから。
















「……ハルに…、会いたい…。」