天幕の中、二人でごろんと横になる。
けど正直私はレーダー作動中で、まだあまり気持ちは休まらない。
横になった途端、忘れかけてた睡魔が顔を出すが気合いで振り払う私。
「…リン。」
「うん?」
「俺は…近すぎて、お前をいつの間にか見失ってたんだな。」
るうは自分を責めているように見えるけど。
それは違うんだよ。
「たぶん、るうも不安に思ったでしょ?」
「……。」
「私も思ったよ。これじゃ本当に私は、ただ戦うだけの戦の化身になってるかもなって。だから言ったの。」
夜襲で迷いも躊躇いもなく多数の人を斬る私を、るうはきっといつもとは違うと流石に気付いただろう。
私は、無意識に目を伏せる。
「…いつからだよ。」
「もう分かんない。でもアレンデールでの戦とはやっぱり勝手が違うなって、改めて思った。」
私をただの人間に引き戻してくれる人が、私を見てくれる人が後ろにいるかいないかで、全然違った。
アレンデールの兵たちは長い付き合いだし、ちゃんと私を見ていてくれるけど。
このセザール軍、そして敵対するディオン軍さえ、私を戦神として扱うから。
「…るうがいてくれて、本当によかった。」
「……。」
「見失わずに、戻ってこられた。」

