もう本当に申し訳ないです。
ここまでボロボロなるうを久々に見たもので。私は思わず俯く。
「…痛くねえし。どちらかと言うとお前の方が重症だろ。」
「そんなことないよ!私はまだまだ大丈夫っ!」
「どっちも重症だから。」
どっちが重症か争う私とるうを、レンがピシャリと止める。
…今のレンは怖いです。
あの足を怪我して三日間拘束された日々が、無意識に蘇ります。
「…さて、アキト戻ってこないし。俺は外の様子見てくるね。」
「うん。トキ、本当にありがとう。」
「恩賞忘れないでね?」
「もちろん!約束通り全部あげます!!」
一体いくら貰えるものなのかは疑問ですが。
そしてるうの治療が終わったレンは、重症患者である私たち二人を見て、また深く溜め息を吐いた。
「本来なら絶対安静。」
「無理だな。」
「とにかくもうあんまり動かないこと。二人ともそれぞれ固定した深めの傷が開けば命に関わるからね。」
圧に押され、私とるうは頷く。
「じゃあ俺も少しアキトに用があるから、今は少しでも横になってて。」
「…はい。」

