あまりにも二人が心配そうな顔で私を見るので、私は思わず笑ってしまう。
「笑い事じゃないから。」
「トキ、約束守ってくれてありがと。」
「リンの“おまじない”が発動する前までは正直、もう呪ってやろうと思ったけどね。」
「トキの呪いは怖そうだからやだなー。」
本当に、間に合ってよかった。
「トキ、悪いけどあんまりゆっくりは出来ないよ。知ってると思うけど、エリクもヨーク軍もまだ遠くへは行ってない。」
「分かったから、こっちは任せて。」
その頼もしさが有り難い!!!
これで、少しは安心出来る…かな。
私はレンの腕の中で、ようやく少しだけほっと一息つくことができた。
「……。」
「……。」
天幕で。
私を黙々と治療するレン。
服の下の割と際どい部分も特に気にせず。それはもう淡々と素早く的確な処置を施してくれる。
別に狼狽えてほしいわけじゃないんだけど。
…なんか怒ってない!?

