いつまでも剣を受けさせてやるほど、私は弱くはないし。優しくもない。 徐々に徐々に、エリクの兵は減っていく。 「その姿を見られたことが今宵の戦果だ。」 そう言って、エリクは兵を引く。 ここまで戦い続け走り続けてきた私は、もう肩で息をするほど疲れの色が出る。 「もう充分だよ。後は君が私の元に舞い降りて来るのを待つとしよう。」 そう言って、時は満ちたと言わんばかりに。 エリクは残党を連れてこの場から立ち去る。 そして次の瞬間。 私とるうの目に飛び込んできたのは。 黒煙を上げ、炎を纏う丘。