エリクの私兵たちが、私を引き止めるつもりか剣を抜く。
…意外だな。
「エリク様が私に剣を向けることもあるんですね。」
勉強になります。
てっきり私には無害だと思ってたよ。
「ご安心を。単なる足止めです。」
「それに何の意味があるんです?」
「本陣にいるレンが滅ぶまで、姫にはここに居ていただきたい。」
何故私が、黙ってそれを受け入れると思うんだろう。
「では、力尽くで通ります。」
私は今日何度目か、また剣を抜く。
るうも戦闘体制。
早く終わらせて、とにかく丘へ行きたい。
その一心で、私はまた敵を屠る。
しかし流石はエリクの私兵だけあって、私への攻撃は全く敵意がない。
寧ろ受けるばかりで。
時間稼ぎというのはどうやら本当のようだ。

