(一)この世界ごと愛したい






「ま、まさか…!!!」



一人の男を囲むように、何人もの兵が集う。




やっと、敵将を発見。



敵将ももちろんだが、私はもう一人。この場に見覚えのある人物に目を向ける。






「…姫様。」









「もうあなたに姫と呼ばれる筋合いはないよ、ノイン将軍。」




城攻めの戦の最中、姿を消したノイン将軍。



そんな彼がここにいるということは、今丘を攻めているのはエリクか。





「姫様、どうしてここに…。」


「どちらかと言うと、それ私の台詞だよね。」


「全ては姫様のためです。」





これが、私のためと。







…そういうのが嫌なんだ。



人を傷付け、人を裏切る原因が戦神である私ならば。







私は存在すべきじゃないと。



そう思えてならないから。








「…もういいよ。」



「姫様っ、僕はただ…!!!」