(一)この世界ごと愛したい





敵襲を知らせる音が、城内に響き渡る。



もう時間は掛けられない。





「とりあえずもう最短ルートで行こう。」


「リン、お前…!」




矢は抜き捨てたものの、腕から流れる血で。


怪我したのもバレた。




情けないから隠したかったのになー。





「大したことないからとりあえず急ぐよー。」


「ちっ。」




舌打ちしてますけど、るうが登るの遅いからだからねっ!?



けど、油断した私も私か。






「…こっち。」


「あー敵ばっかでうぜえ。」




走って走って、敵を斬り捨て。


城の側までくると流石にもう嫌になる敵の数。





「……っ。」


「どうした?」




ピタッと動きを止めた私。



レーダーがこれでもかと嫌な反応を示す。







…丘の方から。