「…これ、城まで持つかな。」
途端に不安になるが、泣き言は言ってられないので。
「だっ、誰だ!!!」
私を見て、大声を上げた敵兵のせいでそれはそれは次から次へと。
斬っても斬っても敵が来てしまう。
まだ私が何者かは理解していないんだろう敵兵たちは、私に殺意を持って挑んでくる。
「っ…!!!」
その殺意に注意を向けすぎたせいで、どこかに潜む弓兵に気付くのが遅れる。
このパターンも稽古すべきだったなー。
ここにきて暗闇が私にとっても裏目に出る。矢がほとんど見えません!!!
このままここにいても良い的だな。
もう登りきるだろうるうにも危険が及ぶ。
出来る限り人数を減らしたところで、ひょこっとるうが顔を出したのを確認した私。
「遅いっ!!!」
もう周りも気にせず怒り、そのままるうを掴んで城内に飛び降りる。

