「どうしようもないくらい、死者と負傷者が増えていくばかりで。」
「…そうだね。」
「君が命を見捨てる覚悟を決めろって、そう言った本当の意味が分かった気がした。」
敵も、味方も。
全てを救うことは不可能だから。
「…だから、ありがとう。」
「別にお礼を言われるようなことはしてないよ。レンはレンの思うように、助けたい人を助けてあげて。」
命を見捨てる覚悟とは。
全てを救えない戦において覚悟を決めて尚、レンが救いたい命を優先してほしいと言う、私なりの願いだった。
「君は人のために自分を犠牲にする人だから。」
「…?」
「…俺は君の命を繋ぎ止めたい。」
レンはそう言って、私に小さな包みを手渡す。
「これなに?」
「君のお兄さんにかかった呪いを解く、解毒薬だよ。」
私は、思わず頭が真っ白になる。

