(一)この世界ごと愛したい






「どうしようもないくらい、死者と負傷者が増えていくばかりで。」


「…そうだね。」


「君が命を見捨てる覚悟を決めろって、そう言った本当の意味が分かった気がした。」





敵も、味方も。


全てを救うことは不可能だから。






「…だから、ありがとう。」


「別にお礼を言われるようなことはしてないよ。レンはレンの思うように、助けたい人を助けてあげて。」





命を見捨てる覚悟とは。


全てを救えない戦において覚悟を決めて尚、レンが救いたい命を優先してほしいと言う、私なりの願いだった。






「君は人のために自分を犠牲にする人だから。」


「…?」





「…俺は君の命を繋ぎ止めたい。」





レンはそう言って、私に小さな包みを手渡す。





「これなに?」















「君のお兄さんにかかった呪いを解く、解毒薬だよ。」






私は、思わず頭が真っ白になる。