南門に到着すると、まず負傷兵の多さに驚く。
一体どんな策で挑めばこうなる。
…いや、何も講じなかったのか。
南門が全てが崩壊しているわけじゃない。ヨーク将軍はまだ毅然として奮闘を続けている。
この負傷兵はノイン将軍の兵たちだ。
「……。」
兵はいるが、肝心のノイン将軍の姿がない。
恐らく本陣の探索だろう。
味方にも丘のことを黙っていてよかったと心から思う。
しかし、例えどれだけ純粋な思想だとしても。
自分の兵をここまで犠牲にする将軍など存在してはいけない。
私は思わず手に力が入る。
「ひ、姫様…!」
「ノイン将軍の隊の方ですか?狼煙はあなたが?」
「申し訳ございません!将軍の姿が忽然と消え、私ではどうにも出来ずっ…!!!」
この人はノイン軍の副将だろう。
ノイン将軍の行方は知らないようで、ただ始まってしまった城攻めの攻略が難しく狼煙をあげたと言う。
「どうか顔をお上げください。大丈夫です。将軍はちゃんと戻りますし、運良く私がここにいます。」
「姫様…。」
「あなたが前を向かねば、兵はもっと困惑します。今は気を強く保ってください。」
捨て置けと言っても見捨てられないのは、私も同じだね。
…レン。

