(一)この世界ごと愛したい







曇天の曇り空の中。



エリクの蒔いた種たちが、刻一刻と芽吹き始める。








「南門から狼煙です!!!」




それは、突然あがった狼煙。




ついにノイン将軍が。


エリクが動き出したのかと察する。






「…リン。」


「うん、行こう。」




持ち前のレーダーで、丘周辺にはまだ敵の影はないことを確認する。





「アキト、トキ。ここはよろしくね。」


「おう。」


「とりあえず夜営になるタイミングでまた戻ってくるから。レンにも言っといてー。」




私はそれだけ伝え、るうと二人で南門へ走る。





「南ってことは、あいつか。」


「エリクがようやく動き出したね。さっきも言ったけど何もしなくていいよ。」


「…でも。」


「…元々、南は諦めてるから。」






全ては救えないと。



悩んで悩んで、出した答えだ。




それでも今向かっているのは、助けるためではなく。あくまでも状況を確認するためだ。






…エリクがどんな手を打ってきたのか。