「始め!!!」
クロード将軍から再び号令がかかる。
そして南門も同じタイミングで城攻めを始めたようだった。
ここからは私のレーダーを駆使して、怪しい動きを探り続けなければならない。
骨が折れるが、致し方ない。
通常の城攻めでは私の出る幕はあまりないので、クロード将軍に一旦よろしくと頼んだ。
助けが必要な場合は各将軍に狼煙で合図するように伝えてある。
多少離れても問題ないだろう。
「…本陣の様子見に行こうか。」
ということが決まり。
私はサクの馬から旗を外し、北門にいる兵へ適当に掲げておいてほしいと伝え預ける。
甲冑に付けた赤い布も捨て、今度は出来るだけ目立たないよう、そっと戦場から離脱。
丘まで迂回しつつ向かう。
「砦完成してるかなー。」
「さあな。」
不謹慎だけど、少しわくわくしながら丘へ駆け抜ける。

