(一)この世界ごと愛したい





そして、私の凡そ半数になった二百騎。




「どうしようか?」


「もちろんリンちゃんに着いて行きますよ!」




後ろの人たちも賛同してくれる。


まったく、アキト軍の人材はすごいな。





丘を見ると既に奪取し終えていて、今砦化の真っ最中だろう。



もう優秀すぎるよー。助かるよー。




「るうはもう何もしなくていいからね。」


「はいはい。」




ここで、るうを前線から外す。


体力温存です。





北門へ来ると、既に配置についているクロード軍が大いに盛り上がってくれて。





「我々には戦神がついている!」


「勝利は目前だ!」


「神の加護があるぞー!」




先ほどの順風満帆な戦をする私を見て、賛辞を投げる兵たち。



その私を支える二百騎が、どれほどの死戦を潜ったと思っているのかと一瞬考えて止める。







…大丈夫。



アキトがちゃんと見てくれる。







「リン?」


「…城攻めは無策です。」


「は?」


「臨機応変で行きます。」




用意出来る物なかったし。


何が出来るか分からないけど、エリクが何かしらの手を打つならまずここだろうから。




元々、城攻めは二の次。


エリク対策を優先すべきだと考えました。