「るうは右にいて。みんなは後ろから着いて来てね。」
それだけ伝えて、私は既に混戦と化した戦場へ再び突っ込む。
右から左に来た後は、左から右へ戻るだけ。
前から三将がそれぞれの戦を展開する中、敵の横腹を食い破っていく。
「一旦出ようか。」
間延びしそうになれば外へ出て。
また入って。
それをひたすら繰り返し、何とかほとんど離脱させずに右翼へ戻ってきた。
「…大丈夫?」
「いや…あんまり…。」
「うん、ここまで着いて来られるなんて正直思ってなかったけど。アキトの精鋭だけあってやっぱりすごいね。助かったよー。」
私の二百騎はそれはもう、ヘットヘトのボッロボロ。
未だ無傷でピンピンしてるのは私とるうくらいで。少し申し訳なく思う。
「サク、とりあえず怪我した子は救護班に。」
「リンちゃんは?」
「私はまだまだ元気だから。とりあえず城の前で敵の注意を最大限惹き付けることにするよ。」
私がそう言うと、サクはテキパキと怪我人と救護班へ連れて行く人で隊を切り分ける。
「半分以上の人数はまだ行けるっす!お供します!」
「え…。」
「リンちゃんいたらもう負ける気しないのが不思議です。それに実は、その戦いを見ていたくなってて。」

