チラッと丘を見ると、既にトキが動いているのが分かる。
本当、頼もしい人だ。
「そろそろ入る。るう、一旦後ろ任せたよ。」
「分かった。」
私はるうの返事を確認して、さらにスピードを上げ。
完全に単騎で敵左翼に向かって。
…跳びました。
シロはそのまま走り続ける。
私は空から敵の懐に入り込み、精鋭だろう一隊に風穴を開ける。
敵の怒号と、自軍の歓声が聴こえる。
私は一先ず周囲の兵を一網打尽。
ただただ斬って斬ってを繰り返す。
その内に、私の二百騎も風穴から流れ込み。敵左翼はほぼ全壊。
私の着地地点で待つシロに再び飛び乗り、予定通り左翼を通過し敵陣背後へ回る。
はい。
これが挟撃です。
前から来る本隊と、後ろには私の隊。
絶対に後ろは抜かせません。
「おいコラ、飛ばしすぎだろ。」
「あ、みんな大丈夫?」
開戦前あんなに怯えていたサクは、それはもう目を輝かせていて。
「リンちゃん強すぎ!!!」
「元気そうでよかった。じゃあ次行くよー。」

