(一)この世界ごと愛したい






「突撃ッ!!!」




クロード将軍の声で。





シロの頭を少し触って、刹那。





私は駆け出す。









「…お。」




さすがはアキト軍の将軍率いる兵だけあって、しっかり着いてきてくれている。




…行けるな。



そう判断した私は、もう後ろを顧みずただ前だけを見据えて。




敵右翼を目掛けて走る。




既に自軍の突撃から飛び出している形だけども、それでも後ろが意識して頑張ってくれているのはクロード将軍の配慮だろう。







「方向変えるよ。」



一応そう言ってから、私は急な方向転換。




もちろん敵も反応し、次から次へと矢の雨が降り注ぐ。



当たるか当たらないか、ギリギリのラインを走り抜け、敵はどこから入ってくるつもりかと狼狽えている。







「これが戦神…!!!」


「アレンデールの寵姫だ!!!」




敵からの讃歌も聴こえるほど、まだ余裕の私。



是非是非、ご注目下さい。





私が輝けば輝くほど、アキトと本陣が動きやすくなる。