「突撃ッ!!!」
クロード将軍の声で。
シロの頭を少し触って、刹那。
私は駆け出す。
「…お。」
さすがはアキト軍の将軍率いる兵だけあって、しっかり着いてきてくれている。
…行けるな。
そう判断した私は、もう後ろを顧みずただ前だけを見据えて。
敵右翼を目掛けて走る。
既に自軍の突撃から飛び出している形だけども、それでも後ろが意識して頑張ってくれているのはクロード将軍の配慮だろう。
「方向変えるよ。」
一応そう言ってから、私は急な方向転換。
もちろん敵も反応し、次から次へと矢の雨が降り注ぐ。
当たるか当たらないか、ギリギリのラインを走り抜け、敵はどこから入ってくるつもりかと狼狽えている。
「これが戦神…!!!」
「アレンデールの寵姫だ!!!」
敵からの讃歌も聴こえるほど、まだ余裕の私。
是非是非、ご注目下さい。
私が輝けば輝くほど、アキトと本陣が動きやすくなる。

