(一)この世界ごと愛したい





「行くぞ。」


「……。」



硬直状態は入れ替わり、私は驚きで瞬きしかできない。




…何が起こったの。





…キス?



るうが?私に?どうして?





「悪い。」


「あ、謝られても…?」


「殴って良い。」



別にそこまで、することでも…ない、のか?


もう頭は大混乱だけど。




すぐに、私の煩悩は掻き消された。






「姫様ーっ!!!」


「いってらっしゃいませ!!!」


「お気をつけてー!!!」



そんな歓声が馬車の外から響き渡る。





驚いて馬車の窓を開けると。



そこには溢れんばかりの国民達と、そして家族が私を見送ってくれていた。




みんな両手に沢山の花弁を抱えて、その花弁をひらひら舞い上がらせる様に。



沢山の人達と、花弁のシャワーが降り注ぐこの景色を目に焼き付けた。