「遅え。」
「ごめんごめん。サク合図いいよー。」
遅れて配置についた私に、すぐ文句を言うるう。
そして準備完了の合図をクロード将軍へ出すようサクに頼む。
指示通り合図に使う、即興で作ってもらった例の旗を掲げるサク。
この旗はせっかくなので、まだ使ってます。
このままサクの馬に装備させてもらって、敵の懐に侵入します!
「俺が真っ先に狙われそうっすね。」
「心配ないよー。その旗は私の居場所を示す目印にするだけ。始まっちゃえばその旗より目を惹くのは私だから。」
「やっぱリンちゃんかっけー!」
後ろの二百人隊の人たちにも、改めてよろしくと簡単に伝えて。
クロード将軍の号令を待つ。
「あ、そういや加減どうする?」
「決めてなかったねー。」
「十でいいのか?」
「手加減してお借りしてる兵に怪我させたんじゃ、アキトとトキに会わせる顔ないもんねー。」
あまり晒したくないけど、もう仕方ない。
…ならば、いっそ。
「最初っから全速全開、二十で行こうか。」

