「リン!!!」
「るう、早かったね。」
一番に私に追いついたるうは、それはそれは怒りの色が強くて。
「一人で動くな。」
「ちゃんと待ってたよー。」
「トキが慌てて今向かってる。めちゃくちゃキレてたぞ。」
「…え、怖い。助けて。」
トキがキレてるのは流石に怖い。
るうには知らんと突っぱねられ、私は後ろから迫り来る恐怖を待つだけの状態になった。
「ねえ。」
「ごめんなさい。」
「謝るくらいなら勝手なことしないで。」
「はい。」
到着早々トキは私を地面に足を着けさせて、お説教を始める。
「時間惜しいからみんな先行ってて。」
「え、じゃあ私も…」
「リン?俺の話聞いてる?」
逃げようと思っても許してもらえず。
もうどれくらい行軍を見送ったか分からなくなったところで、ようやく解放された私。
…トキは怒らせてはいけません。
「早く先頭行くよ。」
「…はい。」
もう項垂れる私を元気付けようとシロが頭を寄せてくれ、少し元気になれた。
その頭をよしよしと撫でて、再び騎馬。
「もう戦場だね。」
「うん。」
長いお説教だったので、先頭は既に戦場に到着してしまっただろう。
「アキトが飛び出してないといいんだけど。」
「トキ大変だねー?」
「分かってるなら余計なことさせないでくれる?」
「すみません。」

