私はここで思い立ち。
甲冑のまま、再び崖をぴょんぴょんと登る。
空気を取り込み全感覚で気候を探る。
「…私やっぱ天才かも。」
天気も有り難いことに希望通り。
他にも不安なことはもちろんあるけど、後はもうやるしかない!!!
下を見下ろすと、かなり準備も整っている。
シロも今か今かと力強い目で私を見つめてくれている。
「…ハル。」
どうか私に、力を貸してね。
その想いに呼応するように、ぶわっと強い突風が吹く。
私の金髪が風に靡く。
その様子を下では美しいとただ見惚れる人が多数。
「シロっ!」
私の声を聞きつけ、シロが崖に向かって駆け出したのを見て。
私は崖から飛び降りる。
そのまま下に駆けつけたシロに乗り、私はすぐにディオン城の方角へ走り出す。
もちろん、一人で城まで突っ走るわけはなく。とりあえず進軍と足並みを揃えるため一定の場所で足を止める。

