よっぽど疲れていたんだろうアキトは、ほんの数分で寝息を立てる。
私はその寝顔を少し眺めていた。
随分と助けられたこの人に、私が返せるものはあるんだろうか。
そんなことを考えていると、天幕の入り口が開かれる。
「……。」
入ってきたのはるうで。
私を抱えて眠るアキトを冷たい目で見ているが、そんなるうに私は静かにと、合図を送る。
するりとアキトの腕の中から抜け出して、るうと天幕の外へ出る。
「さっき寝たところだから寝かせてあげて?」
「起きたら止め刺す。」
「刺さなくていいからねー。」
一先ずみんなを起こさないように野営地から少し離れる。
「…お前にしては大人しく天幕に入るなんて、珍しいな?」
「断ったんだけどねー。」
一応は。
アキトにまんまと言いくるめられましたが。
「アキトに問題ないって言われたら、変に私が出しゃばるのも良くないかなって。」
「へー。それでどうなったらあの状況になるわけ?」
「あれは…。」
天幕でのことですよね。
そうなんですよね。
先に飛びついたのはどちらかというと私なので。でもそれをるうに言うのって、どうなの?
だからって隠すのも、どうなの!?

