ハル…。
早く起きてね。
それまでは、ちゃんと頑張るから。
「…大丈夫だよ。」
「……。」
「ハルが目覚めるまでは、何とか繋ぎ止めてみせるから。」
アキトはただ、私の頭をぽんぽんと叩くだけ。
「…言わないでね。」
他の誰にも。
私の胸の内を。
「別に言わねえよ。」
「…ほんと?」
「喋りたいならとっくにルイあたりに言ってる。それをお前に話したのは…。」
話したのは…?
「俺はちゃんと“リン”を見てるから、安心して自由に戦えって、言いたかっただけだ。」
なんかまるで、ハルと話してるみたい。
「アキトって面白いね。」
「お前それ褒めてんのかあ?」
「うん。」
「ならもっとちゃんと褒めろ!」
いきなり大きめの声を出すアキトを咄嗟に諌める。
下の様子を見るけど、特に起き上がる人はいなかったので安心する。
「みんな起きちゃうでしょ。」
「知るか。」
月明かりに照らされて、何故かアキトに抱き締められたままの状況。下から見れば何してんだってことになるんだろうけど。
「ったく。」
「へ?」
アキトは私を抱きしめたまま立ち上がり。
私を抱えて崖から飛び降りた。

