(一)この世界ごと愛したい






ハル…。



早く起きてね。




それまでは、ちゃんと頑張るから。








「…大丈夫だよ。」



「……。」




「ハルが目覚めるまでは、何とか繋ぎ止めてみせるから。」




アキトはただ、私の頭をぽんぽんと叩くだけ。






「…言わないでね。」




他の誰にも。



私の胸の内を。





「別に言わねえよ。」


「…ほんと?」


「喋りたいならとっくにルイあたりに言ってる。それをお前に話したのは…。」





話したのは…?










「俺はちゃんと“リン”を見てるから、安心して自由に戦えって、言いたかっただけだ。」






なんかまるで、ハルと話してるみたい。





「アキトって面白いね。」


「お前それ褒めてんのかあ?」


「うん。」


「ならもっとちゃんと褒めろ!」




いきなり大きめの声を出すアキトを咄嗟に諌める。


下の様子を見るけど、特に起き上がる人はいなかったので安心する。





「みんな起きちゃうでしょ。」


「知るか。」




月明かりに照らされて、何故かアキトに抱き締められたままの状況。下から見れば何してんだってことになるんだろうけど。






「ったく。」


「へ?」




アキトは私を抱きしめたまま立ち上がり。


私を抱えて崖から飛び降りた。