(一)この世界ごと愛したい





「…トキは?」


「さあ?寝てるか作戦考えてるか、どっちかだろうなあ。」


「そっかー。」



アキトは休まなくていいのかなと。


私はチラッとアキトを見るけど、どうにも動きそうにはなく。アキトはこの場に転がって寛いでいる。





「…アキト、下で寝てていいよ?」


「ああ?俺の勝手だろうが。」



それはそうなんだけど。


何のためにここに来たんだろうか。





「お前はもう少し力抜けって。」


「うん?」


「…って言っても聞く奴じゃねえか。」



仰る通りですねー。


こと戦において、私は手の抜き方を知らない。知ろうとも思わない。





「私を休ませようとしないあたり、るうが余計なこと言ったんでしょ。」


「う…。」


「まあ、いいけど。気使わせてごめんね?」


「感心はしねえ。」




そりゃそうだ。


凡ゆる責任を負うべき将が、休むこともせず無理ばっかりするなんて愚の骨頂。




「るうは私をどこまでも尊重する人だけど、ハルにはよく怒られた。」


「鬼人はお前に甘くねえのな?」


「んー。甘くない…というか。ハルは過保護だからね。ハルからすれば、私はいつまでも子供のままなの。」



それが今となっては嬉しいような、切ないような。不思議な感覚なんだけど。


当時は怒られてばっかりで面倒だなと思ってたのに、今は寂しくもある。





「で、子供扱いされたくねえからお前は身を削って頑張るわけか。」


「…言い方棘あるねー。」


「当たり前だ。褒められたもんじゃねえ。お前が本気で将軍続けるならな。」