「…こんなに喋ったの初めてかもしれない。」
「うん、みんなレンと話せて嬉しそうだったね。」
「そうかな。どちらかと言うと君の人気が凄すぎて分からなかったよ。」
そんなことなかったよ。
みんなちゃんとレンを想ってたし、レンを大事にしてるんだなって伝わった。
「次はノイン将軍……あ。」
「どうしたの?」
「そう言えばレンと別れてって頼まれたけど、二人で行って大丈夫かな。」
「俺は構わないけど。」
問題はノイン将軍がどう思うかですよ。
変に気を逆撫でしないといいんだけど。
レンは何も考えてないようで、私は少し不安な思いを抱えてノイン軍野営地へ足を踏み入れる。
「姫様!?」
「夜分にすみません。将軍はお休みですか?」
「い、いえ!少しお待ちください!」
待てと言われたので大人しく待つ。
しばらくして、ノイン将軍が自ら野営地の端まで来てくれた。
「突然すみません。」
「姫様が来てくださるなんて嬉しいです!」
「行軍では失礼しました。野営地の兵にご挨拶したいと思って来たんですが、少しお邪魔してもいいですか?」
「もちろんです!僕もお供します!」
えー、それは邪魔かも。
と思っても言えないので、ここは反論せずただ笑顔を貼り付けることにしました。
謎にレンとノインと野営地を回り。クロード軍の時同様に兵たちへ声を掛けて行く。
が。
ここは正直時間を掛けるつもりはない。
エリクの手駒だし、あまり士気高々いられてもこちらの部が悪くなる可能性もある。
でもやはり、何も知らないだろう兵たちに罪はないので出来るだけ優しい女神の如く寛大な心で接するように努めました。
私、優しい!!!
「ノイン将軍、ありがとうございました。」
「とんでもないです!姫様直々に声の掛かった兵たちは幸せ者ですね!」
「どうか少しでも早くお休みください。明日に響くと良くないので。」
ノイン将軍は嬉しそうに返事をして、私を見送ってくれた。
いい子なのよ!基本は!
エリクとさえ関わらなければ、本当にただのいい子なのに。

