(一)この世界ごと愛したい





アキトの傍にいるレンと、トキも。



それはそれは驚いていて。





「まさか最大限に自分を使って士気をあげるなんて、よく思いついたね。」


「アレンデールでもたまにやるけど、流石にここまで上がるとは思わなかったよ。」


「理に適ってるよ。セザールは王を始め、神への信仰が異常だから。」




…みたいですねー。



トキとそんなことを話しているけど、もう私は何もやる気が起きないほど疲弊しています。






「とりあえず先に野営地まで行っててもいい?」


「分かった。レンはどうする?」


「一緒に来る?」



疲れすぎてお構いできませんがと、レンに声を掛けると頷いたので。




私とるうとレンは先に野営地へ。


アキトとトキは行軍へ戻ることになりました。





「シロ任せたー。」



手綱を握るのさえ億劫になった私は、シロに全てを託す。



「姫、大丈夫?」


「シロの経験をなめちゃだめだよ。シロは私の考えが大体わかる子だから。」


「すごい馬だね。」




そうなのよ。うちの子優秀なのよ。





「こらリン、前は見てろよ。」


「はいはい。」



るうの小言も健在で少し安心する。



さっきまでの騒々しい時間が嘘のように、三人の空気感は静かで心地いい。