(一)この世界ごと愛したい





この勢いのままヨーク軍、そしてノイン軍と。



その横を、ただ少しだけゆっくりと馬を走らせるだけにも関わらず。




信仰心の厚いセザール兵だからこそ、異常なほど大いに士気は上げられた。







そして日が傾き始めた時、ようやく先頭のアキト軍を捉えた。




「るう!アキトのところは別に構わなくていいから、少しペースあげるね!!!」




すぐ近くにいるるうに声を届けるのも、声を張らねば伝えられないのが不便だけど。



とりあえず伝わったようで、るうが頷いたのを確認して私はシロにペースをあげてと合図する。





レンに夕方までに追いつくと伝えた。


その宣言通り、先頭を走るアキトとレンに何とか追いつくことが出来た。




しかし割と速めに走ったにも関わらず、アキト軍もまた大いに盛り上がってくれていて。



とてもまだ会話できる状態ではない。






「お前派手すぎだろ!?」


「えー!?なんてー!?」



こんな感じで会話にならないのを見兼ねて、トキが指でスッと前を指差す。



私は大人しく従い再びシロのスピードを上げて、アキト軍よりさらに前方へと馬を進めた。




行軍から離れたおかげで、ようやく静かになった。






「…疲れたー。」


「同じく。」



私とるうは既にヘトヘト。



けど予想通り、いや予想以上に上手くいってよかった。






「リン!!!」


「あーアキトー。おつかれー。」


「お前まさか最後尾から全員の気合い入れてきたのか!?」


「まあねー。お陰でもう疲れましたー。」