「…万全ですか?」
「え…。ひ、姫様!?」
不意を突かれた兵は、私の姿を見て驚く。
派手な格好にセザールの旗を側に置いた私を、どうか存分に崇めてくれ。
「戦神の姫だ!!!」
「我々に神が力を貸してくれる!!!」
よしよし。
大いに騒ぎ立ててくれ。
「これから軍の隣を並走します。行軍の邪魔はしませんので。」
そう伝えて、私はるうとほどよい速さでクロード軍の横を走る。
金の髪と、セザールの旗が風に靡く。
神が舞い降りた、と。
シロが身を震わせるほどの歓声の地響きが、私の背中を押してくれる。
「…上々。」
この上ないほど今この時、兵の士気は頂点へと達しているだろう。
そのまま並走を続けるため、その士気は前へ前へと伝わる。
ついにはクロード将軍に追いついたが、声を掛けてもこの大歓声の中で会話は難しいと判断した。
私は一先ずクロード将軍へ頭を下げると、ただ微笑みを返してくれた。

