(一)この世界ごと愛したい





自ずと勝手に開かれた道を。


私はただ前だけを見て潜り抜ける。





「るう。」


「ん?」




「…なんか私変かもしれない。」






神だ、女神だと。



周りが声をあげればあげるほど。





私は自分というものが、分からなくなるような感覚に陥る。




アレンデールでは、私があるのが日常だからこうはならないけど。セザールという国の信仰心の異常さが私の感覚を狂わせる。






チラッとだけ、エリクの気配を感じ取った。






「…リン、どうした?」




エリクのお陰で、正気に戻ってきた。


今は感謝だ。




この戦に勝利するために、私は神になると自分で決めたんだと再認識できた。







「絶対勝とうね。」


「当たり前だ。」





国門を潜り。


私はクロード軍の後ろに着き、最後尾の騎馬に声を掛ける。







さあ、この導火線に。








エリクを焼き尽くす火を灯そう。