(一)この世界ごと愛したい




シロを連れている私を、王宮入口の門番はすっと通してくれて私はそこでようやく騎馬。



私はシロの頭にそっと手を添える。




「行こうか。」



私の声を聞いて、シロは何もかも分かったように歩み出す。




るうも自分の馬をいつの間にか準備していて。さらにその手に作ってもらった旗を持ってくれている。





「重くない?」


「急ぎで作っただけあって割と軽い。」



それは嬉しい誤算でよかった。




この旗には、セザールの紋章と“神”の文字を入れてもらった。




戦神はここにいると。


味方にも敵にも印象付けるため。






「クロード軍の後ろが見えてきたね。」


「ああ。」



国門に近づくと兵はもちろん、兵を見送る人達で溢れかえっていた。



行軍最後尾のクロード軍を、私とるうはしばらく眺めてから。人が少しずつ減ってきたところでようやく再び歩き出す。








「お、おい!あれ…!!!」


「まさかあの方が!?」




私が姿を見せると、ざわざわとする見送りの方たち。





そうですよー。


戦神が通りますよー。