どこまでも人を苛立たせる男だ。
「…その折は失礼しました。しかし見せ物に出来るような物ではありませんので。」
「あれほど美しい瞳を私は知らない。」
「もうよろしいですか?」
私の腕を離そうともしないエリクに痺れを切らし、私は遠回しに離せと伝える。
「どうすれば見られる。」
「っ!?」
私の顔に手を添え。
その目を見つめるエリクは、どうやら本気のようで。
今ここで見せろと言うことか?
「っ…エリク様、離してください。」
「再度君の前で人を斬れば見られるか?」
私の腕を掴むエリクの手に力が入りすぎてて、それはもう鬱血するレベルで痛い。
さらにしれっと、ムカつくこと言ってるな。
「離してっ…!」
もう腕も気持ちも色々無理すぎて、私は思わず声を荒げた。
「失礼します。姫、そろそろ出陣の準備を。」
そこへるうが救いの手を差し伸べる。

