(一)この世界ごと愛したい




どこまでも人を苛立たせる男だ。




「…その折は失礼しました。しかし見せ物に出来るような物ではありませんので。」


「あれほど美しい瞳を私は知らない。」


「もうよろしいですか?」



私の腕を離そうともしないエリクに痺れを切らし、私は遠回しに離せと伝える。





「どうすれば見られる。」


「っ!?」




私の顔に手を添え。


その目を見つめるエリクは、どうやら本気のようで。




今ここで見せろと言うことか?





「っ…エリク様、離してください。」


「再度君の前で人を斬れば見られるか?」



私の腕を掴むエリクの手に力が入りすぎてて、それはもう鬱血するレベルで痛い。


さらにしれっと、ムカつくこと言ってるな。




「離してっ…!」



もう腕も気持ちも色々無理すぎて、私は思わず声を荒げた。






「失礼します。姫、そろそろ出陣の準備を。」



そこへるうが救いの手を差し伸べる。