(一)この世界ごと愛したい





そうして、無事アキト軍を見送り。


私は次は自分の準備のために、部屋に戻る。





…つもりだった。







「……。」




マジで最悪だ。


レーダーで探知して避けに避けまくっていたのに、絶対に通らなきゃいけない道にいる。



姿はまだ見えてないけど、気配がエリクだ。




時間も時間なので私は諦めて、エリクの前に姿を現す。




挨拶だけして。


そのあとスッと行こう。





「ごきげんよう。」


「やあ、姫。」


「すみません、時間がないので。」



失礼しますと、言い切る前にエリクは通り過ぎようとする私の腕を掴む。



…ですよね!!!




「いよいよ、ですね?」


「そうですね。開戦は明日になるでしょうけど。」


「姫と離れるのは身を裂かれる思いだが。しかし、もうすぐだよ。」




勝手に裂かれててくれ。






「もうすぐ手に入る。」




この自信の根拠が知りたいけども。


揺さぶられれば、負ける。






「私は精一杯戦って参ります。」


「…人とは不思議だな。君に嫌われるのは避けたいところなのに。」


「はい?」










「もう一度、あの地獄の業火の如き紅い瞳を私は見てみたい。」