(一)この世界ごと愛したい





そこへようやくレンが到着。


甲冑姿さえも、綺麗な雰囲気のまま。




「レン、遅えよ!!!」


「ごめん。」



先ほどあれだけ不倫だと大盛り上がりしていたアキト軍は、急に口を閉じて押し黙り。


それどころか、レンを通すために道を開く。





「じゃ、時間も押してるし主役は揃ったし。行こうか。」







いよいよ、アキト軍出陣。




「トキ、遅れた分少しだけ行軍早めて。私は後ろから全員の士気あげながら追いつくから。」


「士気あげながらって、リンは何する気なの?」


「実際のところ何もしないんだけどね。」




トキは不思議そうに首を傾げる。



けど、何もしないのは本当。







「よし、じゃあ行くか!!!」



アキトの声で、再び雄叫びを上げるアキト軍は隊列を整えて出発していく。


アキト軍はここにいるだけじゃなく、合流地で兵を集結させながらディオン城へ進軍する。それは恐らくどの隊も同じだろう。






「姫。」


「レン、気を付けてね?」


「うん。」


「夕方までには追いつくから。絶対アキトから離れちゃだめだからね?」




レンは複雑そうに笑ってて。


どこか緊張の色も垣間見える。





「大丈夫。約束したでしょ?」


「どちらかと言うと、俺は君に怪我がない方が嬉しいけど。」


「無傷でとは言わないけど、頑張るね!」