(一)この世界ごと愛したい




しばらく屋上で過ごして、あんまり遅くなりすぎると明日に響くということで。レンと二人それぞれ部屋に戻る。





今日稽古に行く前に、私の思い付いた士気上げのための案が間に合うといいな。


天気は今のところ申し分なし。


ノイン将軍はどう動くか。


るうが明日も元気だといいな。


エリクはどんな罠を仕掛けてくるのか。





考えれば考えるほど、戦のことで頭が埋まっていくから。




私はベッドに転がって無理矢理体を休める。












「力を貸してね、ハル。」





不安な思いは一度振り払い。


昼間の桜のことを考える。






舞い散る花びらの中で。


ハルと私。




一緒に笑って稽古したり、走り回ったり。


そんな懐かしい思い出たちに囲まれて。




私は幸せな夢を見た。







それは再び目覚めたハルと桜の木の下で、楽しく笑い合う、そんな今はまだ夢物語のような景色。







「はる…。」




夢の中で会えたハルとの素敵な時間に浸りながら、いつか現実になりますようにと。



そんな淡い祈りを捧げる。