ぽつり、ぽつりと。
レンの口から溢れる言葉に耳を傾ける。
「戦に出る以上死なない保証なんかないし。寧ろ俺は狙われる側の人間だし。」
「うん。」
「もし死んだら…なんて弱気になってたら、君に笑われるかな。」
レンの紺碧の瞳に向けて。
私も自分の想いを伝えよう。
「…笑わないよ。私も同じだから。」
「え?」
「負けるかもしれない。討たれるかもしれない。大切な人を失うかもしれない。って、戦の前はいつも考えてる。」
「…意外だな。」
レンは私をなんだと思ってるんだ。
私だって人間だし。何よりハルのことがあってからは余計に自信喪失してる。
「でもね。レンも言ってた通り、引き返すこともできないから前を向くの。」
「…そうだね。」
「私は守るべきものを守る手段が戦だと思ってる。それが人なのか国なのかは戦によるけど。その信念なく人を殺めるなんて私には出来ないから。」
セザール王やエリクは、そんなこと考えたりしないんだろうけどね。

