「でも今日はいる。」
「…はい。」
「一応言うけど、全部お前に任せるから。」
全部、任せるとは?
「絶対に俺を選べなんて言わねえし。お前が嫌だったら答えなんか出さなくてもいい。とにかく俺に変な気使うなよ?」
確かにるうが大切であることは真実だけれど。
その方向性がるうの気持ちと違うことは分かってる。
もし今後、私の気持ちに変化があったなら私は剣を置かなければならなくなる。
けどそれはパパがもういないから、今のアレンデールにおいては無効なのかもしれない。
『あなたはまず、恋を学びなさい。』
セザールへ旅立つ前に、ママにそう言われたのをふと思い出した。
「…恋か。」
「なんか難しく考えてんな?」
「専門書とかないかな。」
私がそう言うと、るうは笑った。
恋愛初心者の私にも分かりやすい本があれば、マスター出来る日が来るだろうか。

