(一)この世界ごと愛したい





しかし、母国であり家族のいるアレンデールを、私は結局捨てられないだろう。





「覚えとくね。」


「え?」





「もしも私が自由になれる時が来たら、その時はどこか遠くに行こうね。」




私は楽しそうな世界を想像して。


レンに微笑んだ。





「うん、約束する。」



「じゃあそろそろるうが心配するから、戻ろうか。」




私は少し気持ちが軽くなり、部屋へ戻ることにした。








「ただいまー。」




そう言って部屋に入ると、中にはるうが一人。


何やら元気なさそうに佇んでいて。




心配かけたなと、反省する。





「リン…?」


「目も戻ったよー。アキトは?」


「帰った。」




あちゃー。


羽織返し損ねたな。





「ねー。るう、これ外したい。」




手についたままの手錠の輪っか。



意外と邪魔なのよ、これ。





「…なんだこの手。」


「あー。窓殴った。そこに輪っかが当たるからちょっと痛い。」


「……。」




るうは血塗れの私の手を取り。


まるで自分を責めているように悔しそうな顔をする。





そんな顔されたら身体の傷はとてもじゃないけど見せられないよ!!!