(一)この世界ごと愛したい




でも、それが私の姫としての道。


王族としての役割。




「…そうだね。本当はちょっと大丈夫じゃないかもしれないね。」


「え?」


「少し…疲れたかな。」




守ろうと思っても手からこぼれ落ちていく。


今回のマリナ様ももちろんだけど。





何より大事な家族さえ、私には守れなかったから。



パパを失い、ハルを負傷させて。









「…どうかいつか。」



「ん?」










「君が自由に羽ばたける日がくるといいのに。」





そう言った紺碧色の君が。



輝いて見えたのは。






どこかで私が、それを望んでいたからなのかもしれない。









「…レン。」



「君が君のために、生きていくのを俺は近くで見ていたい。」



「自分の、ために生きる…。」





そんな考え方、したこともない。





王族として、姫として、生まれたからには。


国のため、民のための命と。



そう信じて生きてきた。








「君が懸命に守りたいものを守るのと同じように、俺も君のことを守りたいと思ってる。」



「…なんかカッコいいね。」



「一応本気なんだけど。」






うん、わかってるよ。



この先に待つ未来が、どういう結末かはまだ読みきれないけど。






そうか。



そんな選択肢があるなら。





それはきっと素敵な未来だね。