でも、それが私の姫としての道。
王族としての役割。
「…そうだね。本当はちょっと大丈夫じゃないかもしれないね。」
「え?」
「少し…疲れたかな。」
守ろうと思っても手からこぼれ落ちていく。
今回のマリナ様ももちろんだけど。
何より大事な家族さえ、私には守れなかったから。
パパを失い、ハルを負傷させて。
「…どうかいつか。」
「ん?」
「君が自由に羽ばたける日がくるといいのに。」
そう言った紺碧色の君が。
輝いて見えたのは。
どこかで私が、それを望んでいたからなのかもしれない。
「…レン。」
「君が君のために、生きていくのを俺は近くで見ていたい。」
「自分の、ために生きる…。」
そんな考え方、したこともない。
王族として、姫として、生まれたからには。
国のため、民のための命と。
そう信じて生きてきた。
「君が懸命に守りたいものを守るのと同じように、俺も君のことを守りたいと思ってる。」
「…なんかカッコいいね。」
「一応本気なんだけど。」
うん、わかってるよ。
この先に待つ未来が、どういう結末かはまだ読みきれないけど。
そうか。
そんな選択肢があるなら。
それはきっと素敵な未来だね。

