(一)この世界ごと愛したい





私は立ち上がり、一人広間を出る。



誰も追いかけてこないのは、恐らくるうの計らいだろう。




この状態で部屋に戻る気にもなれない私は、そのまま屋上へと足を運ぶ。







「…ごめんね。」




私がもっと気を付けていれば。


エリクの行動を読むことが出来れば。




死なせずに済んだかもしれない。





今はせめて、安らかに眠れるように私は祈ることしか出来ないけれど。






「…っ。」




瞳の奥に燃える炎を鎮火するように。



自然と目から涙が零れた。







瞳の色も、もう元に戻っただろう。



感情が安定してきた時、ラベンダーの香りが風に乗って私の元に辿り着く。






「…もう大丈夫だよ、レン。」



「……。」




まだ私の気が立ってるのかもと、心配して様子を伺ってくれたんだろうけど。



もう随分落ち着きました。