私は立ち上がり、一人広間を出る。
誰も追いかけてこないのは、恐らくるうの計らいだろう。
この状態で部屋に戻る気にもなれない私は、そのまま屋上へと足を運ぶ。
「…ごめんね。」
私がもっと気を付けていれば。
エリクの行動を読むことが出来れば。
死なせずに済んだかもしれない。
今はせめて、安らかに眠れるように私は祈ることしか出来ないけれど。
「…っ。」
瞳の奥に燃える炎を鎮火するように。
自然と目から涙が零れた。
瞳の色も、もう元に戻っただろう。
感情が安定してきた時、ラベンダーの香りが風に乗って私の元に辿り着く。
「…もう大丈夫だよ、レン。」
「……。」
まだ私の気が立ってるのかもと、心配して様子を伺ってくれたんだろうけど。
もう随分落ち着きました。

