「自分の妻の処罰くらい自分で下します。父上の手を煩わせるまでもありません。姫はこの国の宝であり、紛うことなき神の化身。
その顔に傷を付けるなど、万死に値する。」
「…片付けさせよ。」
そう言って、陛下は足早に広間を出て行った。
自分の妻を平気で斬り捨てることが出来るエリクの心境も。
それを片付けろと冷酷に言える王の非情さも。
…私には何も分からない。
ただ私はどこか懐かしくもある、身を焼かれるような怒りを感じていた。
だから私はマリナ様の側に座り。
そっと目を閉じる。
「……。」
瞳が煉獄の炎のように燃えるこの感覚がする時は。
私の緋色の瞳が色を変えてしまうから。

