(一)この世界ごと愛したい





この場の全員、私を見て驚く。



アキトの羽織で全身を覆い、身体の傷は隠せても顔の傷はそのまま。





「姫っ、怪我を…!?」


「すみません、少し羽目を外しました。」




セザール王はもちろん、エリクもいる。


どこまで話が進んでいるのか分からない。下手なこと言えないな。





「マリナ貴様っ!」


「陛下…。怒りを…鎮めてくださいませ。私はただっ…。」


「姫を監禁するどころか怪我を負わせるなど、神への冒涜も同じことだ!!!」




ほとんどバレてるな。


どこまで通用するか疑問だけど、やるしかない。






「陛下。マリナ様は私に戦前に稽古の相手を用意してくださっただけでございます。」


「…何?」


「私の傷は大事ではございません。己の未熟さ故、どうかマリナ様を責めないでください。」





最速で走ってきた私に。


追いついた、るうとレンとアキトが広間に入ってきたのが分かった。




「姫に怪我をさせたという事実が問題なのだ。マリナの処罰は追って下す。牢に入れておけ。」


「陛下っ…!」




立ち上がり去ろうとするセザール王を、何とか食い止めようと私も声を荒げる。













「追って下す必要はありませんよ。」






次の瞬間。



私の身に雨のように降り注ぐ血。






そして横たわるマリナ様。



その傍で自身の剣の血を拭うエリク。