(一)この世界ごと愛したい




私はとりあえず、この塔から出よう声を掛けてから部屋を出る。



階段で下へ下へ降りていくんだけど。



横たわる男たちが何人も何人も目に入り。思わずるうを睨む。




「やりすぎ。」


「…知るか。こいつらが悪い。」



後でちゃんと治療受けられるように、医務室に頼んであげたいと思った。






「よし、マリナ様助けに行こう。」


「ああ!?」



「王かエリクかに話が回る前に外に逃がしたい。」




全員呆れたような目を私に向ける。





「リン、人が良すぎる。とりあえずお前はゆっくりしてろ!?」


「私は問題ないよ。」




マリナ様を探そうと歩き出そうとした私の腕を、るうが引き止める。



斬られた方と逆の腕でよかったー。





「先に顔の傷、手当てするぞ。」


「いいって、これくらい。」


「ダメだ。あんな女ほっときゃいいだろ。」





「アレンデールの鉄の掟が染み付いて、私はどうしてもほっとけない。」





鉄の掟。


その代表すべき第一項に記してある。



非戦闘民は傷付けることなく分け隔てなく慈しみ守ることと。